pip は、The Python Package Index に公開されているPythonパッケージのインストールなどを行うユーティリティで、Python 3.4以降には、標準で付属しています。
パッケージのインストールは、pip の install コマンドで行います。例えば、Pythonの代表的な画像処理パッケージ pillow パッケージをインストールするときは、次のように実行します。
$ python3 -m pip install pillow
不要なパッケージは、uninstall コマンドで削除できます。つぎの例は、pillow パッケージを削除します。
$ python3 -m pip uninstall pillow
Ubuntu 環境の pip¶
Ubuntuは、OSが標準でPythonを提供しています。この、OSが提供するPythonの実行環境用に、Ubuntuは独自にカスタマイズした pip コマンドも提供しています。
Ubuntu版の pip は、次のコマンドでインストールできます。
$ sudo apt install python3-pip
この方法でインストールした pip コマンドは、OSが提供するPython環境のパッケージを操作します。通常、Ubuntuの実行環境は apt コマンドで操作しますが、pip コマンドでPyPIなどからのパッケージをインストールすると、Ubuntuのパッケージ管理に不具合が発生する可能性があります。
通常は、pip コマンドではなく、apt コマンドを使って、Ubuntuのパッケージ管理の仕組みを使ってパッケージを更新するようにしましょう。
Ubuntu 版 pip の独自仕様¶
また、Ubuntu版の pip は、以下の点でオリジナルの pip と異なりますので注意してください。
通常、pipコマンドでパッケージをインストールすると、/usr/local/lib/ などの、全ユーザが参照できる、Pythonの共有モジュール格納ディレクトリにインストールされます。
しかし、--user オプションを指定すると、~/.local/ などのそれぞれのユーザ個別の専用ディレクトリにインストールされ、他のユーザに影響を与えずに自由にパッケージのインストールや削除ができます。
Debian パッケージの pip コマンド (python3-pip/python-pip) では、--user オブションのデフォルト値が変更されており、特権ユーザではない、一般ユーザとして pip install コマンドを実行すると、自動的に --user オプションが指定されたのもとして実行します。
このため、Ubuntu版の pip コマンドを使用する場合、非特権ユーザが pip install を実行すると、ホームディレクトリの ~/.local ディレクトリにインストールされます。
sudo pip3 install xxx のように、特権ユーザとしてコマンドを実行した場合には、/usr/local/lib にインストールされます。